「学び合いの会−海外ニュース」 274号-2




今年10月にバチカンで開かれる第3回臨時シノドス(世界代表司教会議)を前に、昨秋、全世界の司教宛に「準備文書」が送付されました。
この「準備文書」の中で、シノドス事務局は、会議のテーマの「福音宣教の観点から見た家庭の司牧的課題」について、幾つかの質問(アンケート)への回答を求めています。
このアンケートは、全ての地方教会に向けられたもので、信徒一人ひとりにとっても決して無縁のものではありません。
1. シノドスと、その準備文書について274-1参照してください。

複数の仲間によって「準備文書」全文の翻訳が出来ましたのでお届けします。(6ページ以降が質問項目です。)


ご参考までにシノドスと準備文書についての解説も添付します。

添付記事
2. 第3回臨時シノドス準備文書

 

世界代表司教会議第3回臨時総会と準備文書について


*世界代表司教会議・第3回臨時総会は「福音宣教の観点から見た家庭の司牧的課題」をテーマとし、2014年10月5日(日)から19日(日)までの2週間、バチカンを会場に開催される。

*教皇フランシスコはこれまでも家庭司牧の重要性をしばしば強調、特に婚姻の無効性をめぐる問題や別居した夫婦の信仰問題等への司牧的対応に関心を寄せてこられた。(131008 バチカン放送局)

*シノドスには「通常総会」「臨時総会」「特別会議」があるが、臨時総会は「教皇庁と司教評議会の協力」を話し合った1969年と、「第2バチカン公会議閉会20周年」をテーマとした1985年の開催以来、これで3回目となる。ちなみに前回のシノドスとしては、「キリスト教信仰を伝えるための新しい福音宣教」を議題に、2012年、第13回通常総会が開かれている。

*提題解説(Lineamenta)と「討議要綱」(Instrumentum Laboris)
シノドスが開催される前に、教皇庁シノドス事務総局は、準備文書を各国司教協議会に予め送付する。この準備文書は「提題解説」(Lineamenta)と呼ばれる。

シノドス事務総局は、提題解説を各国司教協議会に送り、そこにある質問事項へ回答するよう指示した(回答期限は1月末)。そして、各国の司教協議会の「回答」に基づき、シノドス開催前に「討議要綱」(Instrumentum Laboris)を発表する。
これが、実際にシノドス会期中に行われる議論の材料となる。

シノドスの議長は、教皇が務めるが、実際の司会は、議長代理が交互に行う。
総書記は、分団会・全体会で議論するために、参加者から指摘された議題をまとめて報告する。また、総書記と特別秘書は、シノドス教父の提言をまとめて、教皇に提出する。これらの提言を踏まえて、教皇はシノドス後の「使徒的勧告」を発表する。
(131024 カトリック中央協議会 http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/doc/pontifical/synodus/index.htm )

*シノドス事務総局は、「質問事項への回答は、出来る限り広範囲にわたり、地方の教区や小教区の意見をインプットしてほしい。また、信者一人ひとりが意見を事務局に送っても良いが、基本的には司教が個人の意見を取りまとめて送ってほしい。」と述べている。
http://ncronline.org/news/vatican/vatican-bishops-must-consult-grass-roots-family-synod





<準備文書関連記事 参考> 

教会の声は教皇フランシスコに届くか?
ロバート・マックロリー  NCR Today 2013/12/11

バチカンはこのほど、2014年10月の「家庭」をテーマとする第3回特別シノドスの準備のために、世界的に広範囲にわたって、小教区レベルの意見収集を呼びかけた。

12月6日から19日にかけてNCRの詳細なリサーチを担当しているBrian Roeweによれば、カトリックの司教区など教会組織の多くが、メンバーに対して、バチカンの質問事項(“Vatican questionnaire”)や、それに手を加えた質問状への意見を求める作業に着手しているが、これまでに多くの混乱(“confusing and troubling”)が見られることが分かった。

ニューヨーク教区の Timothy Dolan枢機卿は、先週、記者に「バチカンの質問状は確かに司教に向けられたものだ。」として、扱いは自分に一任されているかのように説明した。
一方、他の教区は、質問状の対象となるグループ(“targeted focus group”)や監督機関(presbyterial councils)など、教会内の組織の意見だけを回収することになろう、と述べた。

また、一部の司教は、自分にとって意味がある、関係がある(“relevant.”)と見做す項目だけについて、信徒の意見をローマに伝えるのではないか、とも囁かれている。
さらに、他の司教は、回答を権威づけるために、回収した意見を書き直し、同性婚、女性司祭、避妊のような、あまり触れたくない問題の教義の変更を求めるような意見は、ゴミかごに投げ棄てる可能性もある。言葉を換えれば、このような質問状に熱心に答えても、全てが無駄に終わり、何事も起こらないのではないか、という心配にも一理あるのだ。

せっかくの試みが無駄に終わることは教会全体の悲劇である。
教皇フランシスコは、人々の正直な意見を知りたいと願う一人の聞き手として、終始ふるまってきている。
バチカンの質問状の本質は、教皇が、あなたやわたしに向かって、個人的に、今日の教会をどう考えるか、とりわけデリケートな問題についてどう考えるのかを語ってほしいと招いているように思える。
それゆえ、世界中のカトリック信者の意見が、ゆがめられたり裏切られたりすることのないように、何らかの方策をとることが大切なのだ。

教皇フランシスコはこれまで、わたしたち信者に求めることや、わたしたちが福音に従う者としていかに生きるべきかについて、さまざまな語りかけをしてきた。いまや、教皇にとっての緊急の課題は、わたしたちが真に信じているもの、望んでいるものを知ることであり、それによって恐らくは、カトリック教会と、その多くのメンバーとの間を隔てている溝について、より深い理解を得ることになるだろう。

それと同様に、教皇が(出された信者の意見に対して)彼の反応と見解をフィードバックすることも肝要である。教皇フランシスコは短期間のうちに大きな尊敬と信頼を集めた。もしも、バチカンの官僚や中心的な司教たちが、この質問状を従来と同様、自分たちの都合の良いように(“in charge”)扱っているという噂が広がれば、折角の財産(尊敬と信頼)は失われてしまうだろう。
http://ncronline.org/blogs/ncr-today/will-pope-francis-listener-hear-church

 

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