学び合いの会-海外ニュース」 383号(170501

 

 主の平和

 

20世紀のイタリアで、平和主義や良心的兵役拒否を唱えた為

教会権威から断罪された二人の司祭(故人)が、教皇によって

名誉回復されようとしています。

 

添付記事

1. 教皇、2人の司祭の墓参で「イタリア教会史書き換え」

                                                               (NCR Today) 

 

 

教皇、2人の司祭の墓参で「イタリア教会史書き換え」

ジョシュア・マッケルウィー 2017/4/26 NCR Today

 

 

バチカン市発: 教皇は6月、イタリアの2つの都市への異例の訪問を予定している。

その目的は、かつて教会指導者らによって排斥された20世紀の2人の司祭の墓前で祈りを捧げるためである。2人が排斥された理由の一部には、平和主義と良心的参戦拒否がある。

 

教皇は先ず、プリモ・マッツォラリ神父の眠るローマの北300マイルほどの、ヴェローナに近い町、ボッツォロを訪れる。次いで、フローレンス近郊のバルビアーノで、ロレンツォ・ミラーニ神父の墓を訪れる予定だ。

 

月曜日に公表された教皇の6時間に及ぶ小旅行についてバチカンは、「この訪問は『個人的、非公式』な立場で行われるものであり、教皇はそれぞれの場所で人々に簡単なスピーチを予定している。」と述べた

 

ヴィラノヴァ大学で教えるイタリアの神学者マッシモ・ファジオリによれば、教皇はこの旅行で「20世紀のイタリア・カトリック史を書き換え」ようとしている、という。

 

「二人の司祭は生前、教会権威によって排斥、断罪され、その業績をイタリア・カトリック教会の公式記録から抹消する処分を受けたのです。」とファジオリは語る。

 

マッツォラリ神父は1890年生まれ。後のフランシスコ教皇がそうであるように、貧しい教会を主唱し、不遇な人々に目を向け、それらの人々のために語り続けた人物である。彼はまた平和主義者として、教会が教える正戦論を批判した。

 

彼の死の直前の1959年、教皇ヨハネ23世は、彼を「聖霊のトランペット(伝道者の意か)」と呼んだ。

 

一方のミラーニ神父は1923年の生まれ。クリスチャンもノン・クリスチャンも受け入れる「人間学校」と名付けた学校を開設し、貧者より富者を優先する教育システムに鋭い批判を浴びせた。

 

彼は1965年、イタリアの従軍司祭たちに当てた手紙の中で、良心的兵役拒否を擁護したために、(教会の)裁判にかけられた。

 

ファジオリによれば、教皇はこの二人の司祭を称えることによって「教会における司祭の主体性を見直そうしている。」のだという。

 

「マッツォラリ神父とミラーニ神父は『進歩的』過ぎたのだと思います。」と神学者は言う。

「彼らはまさに、いまフランシスコ教皇に反対している保守・伝統主義者とは正反対の立場を体現化した人たちでした。」

 

教皇はここ数ヶ月の間とくにイエスの非暴力の教えを強調してきたが、2人の司祭の墓参はその延長線上にある。ことしの国際平和デーのメッセージで、教皇はイエスの非暴力を見倣うことをキリスト者に求めている。

 

教皇メッセージは次のように述べている。「イエス(ご自身)は、平和を構築するための「手引き」を(山上の説教の中で)与えています。… 今、イエスの真の弟子であることは、非暴力というイエスの提案を受け入れることでもあります。」

(カトリック中央協議会訳:下記に一部抜粋)

 

(以上)

 

<付)第50回「世界平和の日」教皇メッセージ(3項の一部、6項) 2017/1/1

 

3. 今、イエスの真の弟子であることは、非暴力というイエスの提案を受け入れることでもあります。わたしの前任者であるベネディクト十六世が述べたように、「イエスの提案は現実的なものです。なぜならそれは、世界の中に『あまりにも大きな』暴力と『あまりにも大きな』不正があること、ですから、『より大きな』愛、『より大きな』いつくしみをもって対抗しなければ、このような状況を克服することはできないことを考慮に入れているからです。この『より大きな』ものは神から来ます」。さらに次のように強調しています。「ですから、キリスト信者にとって非暴力は単なる戦術的な行動ではなく、人格のあり方だということが分かります。それは神の愛とその力を確信する人の態度です。このような人は愛と真理という武器のみによって悪に立ち向かうことを恐れないからです。敵への愛は『キリスト教の革命』の核心です」【5】。敵を愛するよう求める福音(ルカ627参照)は、とりわけ「キリスト教の非暴力の『憲章』と考えてよいものです。キリスト教の非暴力とは、悪に屈することではなく、……むしろ、善をもって悪に対抗することです(ローマ121721参照)。こうして不正の鎖を断ち切ることができます」。

 

6. 積極的な非暴力による平和構築は、道徳的な規範を適用することによって武力行使を抑制するという、教会の絶えざる努力に終始、欠かせない要素です。教会は国際機関の活動に参加することを通して、またあらゆる分野の法律の草案を作成している多くの信者の的確な貢献を通して、平和構築のために尽くしています。イエスご自身は、平和を構築するための「手引き」を山上の説教の中で与えています。真福八端(マタイ5310参照)は、祝福された人、幸いな人、真正な人として示された人の姿を描いています。柔和な人、あわれみ深い人、平和を実現する人、心の清い人、義に飢え渇く人は幸いであると、イエスはわたしたちに語りかけています。

 

 


 

 

Francis 'rewriting Italian church history' with visit to priests' tombs in June

Joshua J. McElwee  |  Apr. 26, 2017 NCR Today

 

 

VATICAN CITY Pope Francis will be making an unusually brief visit to two Italian cities in June in order to pray at the tombs of a pair of 20th century priests who were ostracized by church leaders partly due to their support for pacifism and conscientious objection.

 

The pontiff will head first June 20 to Bozzolo, a small town near Verona about 300 miles north of Rome where Fr. Primo Mazzolari is buried. The pope will then travel to Barbiana, near Florence, where Fr. Lorenzo Milani is interred.

 

In its announcement Monday of the six-hour trip, the Vatican said the pope was going in a "private and non-official" capacity. It said Francis will simply pray at each tomb and offer a few words to those present at each location.

 

Massimo Faggioli, an Italian theologian who teaches at Villanova University, said that by making the trip the pontiff is "rewriting the history of the last century of Italian Catholicism."

 

"These two priests were ostracized and sanctioned by ecclesiastical authorities during their lives and [were] victims of a process of removal of their legacies from the institutional memory of the Catholic Church in Italy," he said.

 

Mazzolari was born in 1890. Like Francis would many years later, he advocated for a church that was poor and spoke to and for the disadvantaged people of his time. He was also a pacifist who criticized the church's just war teaching.

 

In a 1959 meeting shortly before Mazzolari's death that year, Pope John XXIII called him a "trumpet of the Holy Spirit."

 

Milani was born in 1923. He set up what he called a "school of the people" that was open to both Christian and non-Christian families, and sharply criticized educational systems that privileged the rich over the poor.

 

He was put on trial in 1965 for advocating conscientious objection in a letter to Italian military chaplains. He died of leukemia in 1967 at age 44.

 

Faggioli said that by honoring the two priests Francis is "opening the dossier of the identity of the priest in the Church today."

"Mazzolari and Milani were perceived as too 'progressive,'" said the theologian. "They embody a Catholic Church that is exactly the opposite of the Church of Francis’ conservative and traditionalist opponents."

 

The pope's visit to the priests' tombs comes as he has put a special emphasis on Jesus’ teachings of nonviolence in recent months. In his message for this year’s World Day of Peace he called on Christians to emulate Jesus way of acting nonviolently.

 

“Jesus marked out the path of nonviolence,” the pope said in that message. “To be true followers of Jesus today also includes embracing his teaching about nonviolence.”

 

 

https://www.ncronline.org/blogs/ncr-today/francis-rewriting-italian-church-history-visit-priests-tombs-june