「学び合いの会-海外ニュース」 353号(160604)

 

† 主の平和

 

まもなく初誓願を迎える修練者が NCR誌 の「Horizons」という、

若い修道女向けのコラム欄に寄稿しています。

未知の世界に分け入る不安と決意を述べた記事を、仲間3人

が一緒に読みながら翻訳しました。

 

添付記事

1. 「準備はできているのだろうか」

           ー Horizons, Global Sisters Report, NCR

 

 

準備はできているのだろうか

クリスティン・トミー 2016/5/27  Horizons, Global Sisters Report, NCR

 

 

あと1ヶ月もしないうちにわたしは初誓願の日を迎えます。日程は決まっていて、招待状も送りました。典礼の準備も済みました。

 

それなのにわたしは、準備ができているのかどうか、確信が持てないのです。

 

もちろん準備はしました。3年の間、学び、祈り、そして修道共同体への道程を歩んできました。わたしが生きた時間の二倍もの長い時間、奉献生活を送る姉妹たちが同伴してくれて、その人たちの知恵のほんの一部でも吸収しようと努力しました。わたしは、修道会の来歴を深く研究し、その中に秘められた精神の息吹に心を開くよう努めてもきました。

「これはあなたが選んだ道か?」と聞かれたら、わたしは心の底から「Yes!」と答えてきました。

 

長い日々をかけてなすべき準備はしたつもりです。しかし、こうして自分を捧げようとしていることが、わたしにとって、未だに全く謎に包まれているように感じられるのです。

この3年間のわたしの生活は既に誓願を立てた会員とほとんど変わらないものでしたし、自分なりに精一杯努めてきたのですが、「誓願」は、物事を質的に変えてしまいます。多分、奉献生活を始めてみないと、その質的変化がわたしの人生にとってどんな意味があるのかは分からないのでしょう。

 

これとよく似た経験を、一番身近なところの農業学習で味わっています。今年の始め、わたしは、高校生を対象に、野菜を育て、「買い物難民」の地域で売るという教育プロジェクトに招かれました。これは現在の食料需給の不平等問題に取り組む一つの方法として企画されたもので、わたしはそのチャンスに飛びつきました。わたしは以前、小規模の有機野菜農園でボランティアをしたことがあったので、この仕事がどう展開するかは大体分かっているつもりでした。

しかし、それは大きな誤りでした。

 

間違いなくこれは、肉体的にも、精神的にも、わたしの人生で最も厳しい体験になっています。今年の春は雨が多く、準備作業も植え付けも遅れました。わたしたちの田畑はほんの数年前に耕されたばかりの栄養の乏しい粘土質の土壌で、わたしの根気と忍耐力が日々試されています。痛む筋肉の力を振り絞って鍬車を押したり、固い土に強引に苗を移植したりしているうちに、思わず涙が溢れ出ることも一度や二度ではありません。

 

それでも、少しずつ自信が生まれています。わたしは、移植の間隔や仕事の優先順位を知っています。みずから問題を解決すべきタイミングや、経験を積んだ農夫(つまり、何でも知っている農夫)に助けを求めるべきタイミングも心得ています。天候に合わせて働くこと、扱いにくい土壌を大切に扱うことも学んでいます。自分には思ったよりもはるかに能力があることに気がつき始めました。苦労は多いけれど、やはりわたしはこの仕事が大好きです。

そしてわたしは「Yes!」と言い続けます。

わたしは、農業をすることによって農業を学んでいます。誓願の日に誓願を立てるだけでなく、誓願を日々新たに生きることによって、誓願について学んでいくでしょう。そう願っています。

 

それでは、わたしは準備は出来ているのでしょうか。その答えはまだはっきりしていませんが、進んで謎の中に生きていこうとするわたしの気持ちに比べたら、それはほとんど問題にはならないのではないかと思い始めています。

 

 

〔クリスティン・トミー: 米ウィスコンシン州シシナワのドミカン・シスターズの修練者。

所属するコミュニティのブログ catherinescafe.blogspot.com の執筆者でもある。〕

 

 

Ready or not

by Christin Tomy  May. 27, 2016 in Horizons, Global Sisters Report, NCR

 

In a little less than a month I'll make my first profession. The date has been chosen, and the invitations have been sent. The liturgy is planned.

 

And I'm not sure I'm ready.

 

Oh, I've prepared. For three years I've studied, prayed, and journeyed into the life of the community. I've been accompanied by sisters who have lived their vows twice as long as I've been alive and have tried to absorb a tiny fraction of their wisdom. I've explored the congregation's deep story and tried to remain open to the stirrings of Spirit within. When asked whether this is what I choose, I have wholeheartedly responded, "Yes!"

 

I'm as ready as I'm going to be, yet many days the commitment I'm about to make still feels like a total mystery. Although my life over the past three years has looked much like that of a vowed member and I have lived it as fully as I know how, professing vows qualitatively changes things. Until I begin living them, I won't know what that difference means for my life.

 

The closest comparison I can draw is my parallel experience of learning to farm. Earlier this year, when I was invited to teach high schoolers to grow vegetables and sell them in food deserts as a way to address the inequity in our food system, I jumped at the opportunity. Having volunteered at a small-scale organic vegetable farm before, I assumed I had some idea what I was getting myself into. I was very wrong.

 

Without a doubt, it has been one of the most physically and emotionally demanding experiences of my life. The spring has been wet, delaying our preparations and planting. Our field, which has been cultivated for only year, is a nutrient-sparse, clay-based soil that daily tests my perseverance and patience. More than once I have surprised myself by breaking into tears as I struggle aching muscles to push a wheel hoe or tuck a transplant into impossibly cloddy soil.

 

Slowly, though, I'm gaining confidence. I know how far apart to space the transplants and how to prioritize tasks. I know when to try to solve a problem on my own and when to ask a more experienced farmer (that is, a farmer with any experience at all) for help. I'm learning to work with the weather, and even to respect our difficult soil. I'm discovering I'm capable of far more than I thought. It is taxing, but I still love it. And I continue to say "yes!"

 

I'm learning to farm by doing it. I'll learn to make my vows, I hope, not only by proclaiming them on profession day but by living them anew each day.

 

So am I ready? The answer is still unclear, but I'm starting to think it matters little in comparison to my willingness to live into the mystery.

 

[Christin Tomy is a novice with the Dominican Sisters of Sinsinawa, Wisconsin. She has lived and worked in Central and South America and has a background in Spanish and social work. She is passionate about social justice, good hugs, Iowa and most outdoor activities. She also writes for her community’s blog at catherinescafe.blogspot.com.]

 

http://globalsistersreport.org/column/horizons/ready-or-not-40066