「学び合いの会-海外ニュース」 339号 

 

† 主の平和

 

何人ものバチカン担当記者を擁するアメリカのカトリック

・メディア、NCR(ナショナル・カトリック・リポーター誌)の

50周年記念大会でベネディクト会のシスターがスピーチ

し、いま教会内外で起きている様々な不条理に真剣に

立ち向かうよう、強く訴えました。

仲間の翻訳が届きましたので添付します。

 

添付記事

1. Sr. チティスター: 

  「課題に向き合い、好機を生かして、

                新しい世界を創ろう」(NCR)

 

Sr. チティスター:「課題に向き合い、好機を生かして、新しい世界を創ろう」

NCRスタッフ 2015/11/26

 

 

リバーフォレスト・イリノイ発:

 ベネディクト会のシスター、ジョーン・チティスターは、NCR(ナショナル・カトリック・リポーター誌)50周年の記念会議でのスピーチを、典型的なチティスター・スタイルで始めた。彼女は、スピーチの中にフランスの思索者アルベール・カミュを引用し、英国の詩人ジョン・ドライデンや「アイリッシュパブを訪れたアヒル」のジョークを引用した。

そして「ぶどうはあるかね?」*というアヒルの台詞で、シカゴ郊外ドミニカン大学ルンド・ホールを埋めた満員に近い聴衆を笑いの渦に巻き込んだ。しかし、彼女はまた、記念会議に集まった聴衆に激烈な課題を突きつけて覚醒を促した。すなわち、平和と正義と平等を追求するに恥じることなく、大胆にして勇敢であれと。

 

*訳注: イギリスにはバーを題材にしたジョークが沢山あるが、中でもアヒルのジョークは有名…

……アヒルがバーにやってきて尋ねた。「ブドウはあるかね?」 バーテンダーは答えた。「ブドウはありません。」  アヒルが又やってきて尋ねた。「ブドウはあるかね?」 バーテンダーは答えた。「ブドウは無いといったでしょう。」  アヒルが又やってきて尋ねた。「ブドウはあるかね?」 バーテンダーは言った。「おい、アヒル、ブドウは無いと言ったのがわからんのか。」  アヒルが又やってきて尋ねた。「ブドウはあるかね?」 バーテンダーは言った。「アヒル、うちの店にブドウは無いし、これから先も置くつもりはない。今度同じ質問をしたら、お前の黄色いくちばしにクギを打ち込んでバーにつるしてやるぞ。」  アヒルが又やってきて尋ねた。「クギはあるかね?」 バーテンダーは答えた。「無い。」  (アヒルは尋ねた。)「ブドウはあるかね?」

https://www.quora.com/What-are-the-best-Walk-into-a-bar-jokes

 

チティスターは、こう切り出した。「NCR(ナショナル・カトリック・リポーター誌)創立50周年おめでとうございます。…皆が願っています、やめないで、やめないで、やめたりしないで…。」

 

10月24日に行われたこのイベントのテーマは、「新しい顔、新しい声、新しい教会のあり方:米国カトリック教会の前進への模索」で、Sr. チティスターは4人の発言者のうちの一人であった。他の3人は、サンディエゴ大学の宗教学教授、マリア・ピラー・アキノと、マルケット大学の神学者、ブライアン・マッシンゲール神父、それにNCRのコラムニスト、ジェイミー・メイソンである。

 

NCRは4人の発言内容のテキストとビデオを提供することにしており、アキノとメイソンの分はテキスト、ビデオ共に公表済みである。そのほかの分も間もなく公表される予定である。

 

その日の最後に行われたSr. チティスターのスピーチのタイトルは、聖書のことば―マルコ10:49に基づいて「勇気を出しなさい、立ちなさい、お呼びだ。」というものであった。

それは750人を超える聴衆に対して、「立ち上がって」今日の課題に向き合い、今日の機会を捉えて新しい世界を築く行動をとるようにと、奮起を促す呼びかけであった。

「教訓ははっきりしています。」とチティスターは述べた。「第一に、どの時代も同じですが、今の時代も、進歩を支え、真の刷新を支えるのはわたしたちの仕事です。自分たちを救うために行動しないことの責めを神に負わせることはできません。」

 

「そして第二に、社会生活を支えるためには、自分の生活の危険を顧みないようでなければ、共同体全体が危険にさらされます。進んで新しいやり方で考え、このようの状況の中で再出発することを厭わない人が居なければ、人々は救われないのです。」

 

チティスター発言」のハイライト

 

・アブラハムがカナンに新しい生活の場を移したのは神の命令であった。そこは文化的に全くの混乱状態にあった。様々な民族が次々に定住し、そこで融合し、解け合い、絶え間なく続く過酷な争いの中で暮らしていた。そこでの生活は多くの可能性を持ってはいたが、精神的中心になるものは殆ど無かった。われわれは、そういった状況を分かりすぎるほど分かる環境にいる。今われわれは一つの教会が別の教会に融合するのを、そして一つの国家が――われわれの国が――再形成されるのを目の当たりにしている。

 

・圧制者が自ら進んで身を引くことなどめったにないという事実を直視しよう:時代の真に重要な問題を見過ごすことを、単純に、そして永久に拒絶することによって、圧制者を断固として追放しなければならない。

 

・われわれが、国内的にも国際的にも、個人的にも公的にも、自分自身のことだけを考えるとしたら……。われわれの文化が、仕事に見合う以上の利益を生むことを優れたビジネスと評価するとしたら……。より少ない税金を払い、より多くのサービスを望むとしたら……。軍国主義が、経済を立て直すための財源になっているとしたら……。

われわれもまた、貧しい人々の所有物を搾取していることになる。

 

・教会には(独特の)女性を軽んじる文化がある。祈りの言葉さえも、そこから女性を消し去ることでその存在を見えないものにしようとしている。女性を祭壇から追い出し、女性が要職に就く道を閉ざしている。そして教会は、女性の問題について話すことを拒絶し、歴史的に認められていた女性助祭職の回復さえも拒絶している。拒絶を拒否しよう!

 

・教会や社会において「女性問題」が存在しないものとされるのを拒否しよう。さもないと、それと一緒に神の大いなる栄光も失われることになる。

 

・宗教優越、国家優越、家父長優越、そして聖職者優越の思想は、われわれすべてを滅びへと導く。それらの思想は、神のみ言葉をゆがめるものだ。

 

 

Sr. チティスターのスピーチの詳細と動画は下記参照

   http://ncronline.org/news/chittister-confront-challenges-seize-opportunities-build-new-world

Chittister: Confront challenges, seize opportunities, build a new world

NCR Staff  |  Nov. 26, 2015

 

RIVER FOREST, ILL. Benedictine Sr. Joan Chittister began her talk to the NCR 50th anniversary conference in typical Chittister style: With a quote from French philosopher Albert Camus, a quote from English poet John Dryden and joke about a duck who walks into an Irish pub.

She got the near capacity crowd in Lund Auditorium on Dominican University, just outside Chicago, roaring with laughter with the line “You got any grapes?” but she also roused the audience at the NCR conference with a fiery challenge: to be impudent, to be bold and to be courageous in the pursuit of peace, justice and equality.

 

“Happy 50th Anniversary to the National Catholic Reporter,” Chittister proclaimed. “For all our sakes, we’re begging you: don’t quit, don’t quit, don’t quit.”

 

Chittister was one of four speakers at the Oct. 24 event titled New Faces, New Voices, New Ways of Being Church: An Exploration of the American Catholic Church Going Forward.” The other speakers were University of San Diego professor of religious studies Maria Pilar Aquino, Marquette University theologian Fr. Bryan Massingale and NCR columnist Jamie Manson.

 

NCR is making available the text and videos of these addresses. Aquino’s and Mason’s talks and videos have already been posted. As all they are ready, all the talks and videos will be posted here.

 

Chittsiter’s speech, the last of the day, was based on the scripture Mark 10:49 and titled “Take courage, get up, He’s calling you.” It was a rousing call to action for the more than 750 people in attendance to “rise up,” confront today’s challenges, seize today’s opportunities and build a new world.

 

“The lessons are clear,” Chittiter said. “First, the work of development, in this age as in all others, the work of real renewal, is ours. We cannot blame God for what we do not do to save ourselves.

 

“And second … unless we care enough about life to risk our own for it, the entire community is in danger. Unless there are those who are willing to think newly, to begin again in situations like these, the people cannot be saved.”

 

Here are highlights from her talk:

・It is God’s command to Abraham to bring new life to Canaan, an area that had become a veritable confusion of cultures, where life had great potential but little spiritual focus as one people after another took root there, merged there, melted into one another there and lived in perpetual and relentless conflict. We understand that kind of situation only too well. We are watching one church melt into another now and one nation – ours – reshaping itself again, as well.

 

・The fact is that tyrants seldom simply disappear of their own accord: they must be made to disappear by sheer insistence; by the simple, perpetual refusal to forego the really important questions of the time.

 

・When we, too, think only of ourselves, nationally as well as internationally, personally as well as publicly; when as a culture we consider it good business to take more profit than the work justifies, when we to pay fewer taxes but want more service, when militarism is the way we make our money to save our economy, we, too, take for ourselves what belongs to the poor.

 

・The church adds cultures that undervalue women and try to make them invisible by erasing them even from its language of prayer, removes women from its altars, closes its offices to women,  and when it refuses to talk about the woman’s issue -- even the restoration of the historically confirmed diaconate for women. Refuse the refusal!

 

・Refuse to allow the question of women in church and society to die or the full glory of God dies with it.

 

・Religious chauvinism, and national chauvinism, and patriarchal chauvinism, and clerical chauvinism doom us all. They warp the word of God.

 

 

You can see a video of Chittister’s talk. 

 http://ncronline.org/news/chittister-confront-challenges-seize-opportunities-build-new-world

She begins speaking at about 6:15 minutes. The full text of her talk follows the video and is available in PDF format.