「学び合いの会-海外ニュース」 337号 

 

† 主の平和

 

第2バチカン公会議終了直前の1965年11月16日の夜、

ローマ郊外のカンタコンベに40人の司教たちが集り、

公会議の理想に献身することを約束する、『カタコンベ

の誓い』と呼ばれる文書に署名しました。

多くの人が知らなかった、この50年前の歴史的な出来

事が、いま話題になっています。

 

埋もれていた『誓い』本文と、これに署名した司教たちの

最後の生存者のインタビュー記事をお届けします。

 

添付記事

 

2. 「カタコンベに戻れ」:

    司教たちの素朴な誓約文書に新たな評価 (CNS)

 

「カタコンベに戻れ」:司教たちの素朴な誓約文書に新たな評価

シンディ・ウッデン 2015/11/13 カトリック・ニュース・サービス

 

バチカン市(CNS)…間もなく92歳になるイタリアのルイジ・ベタッツィ司教によれば、彼の長い人生は変化の連続であった。

 

生きることは変化することだ、と引退した司教は言う。それは教会にも、また個人にもあてはまる、と。

 

「伝統が根本から揺らいでいる今、わたしたちは、従来の慣習に身を置くことこそが伝統を守ることだと考えがちだ。」ベタッツィ司教は11月12日、バチカンでの報道関係者との集まりでこうに述べた。

 

彼によれば、第2バチカン公会議は、司教たちに、新しいスタイルの福音的生活を目指して

自らを変革するという課題を与えたという。

 

ベタッツィ司教は、1965年11月16日、ローマのドミティッラ・カタコンベに集まってミサを捧げ、素朴な生活、貧しい人と共にいる生活を誓う文書(Pact:誓約書)に署名した、42人の第2バチカン公会議出席者の、最後の存命者である。

訳注:「カタコンベの誓い」本文の解説では、最初の署名者を40人としている。どの時点までをオリジナル署名とするかで数に相違が出たものと推測される。

 

男子・女子修道会国際総長連盟と、カタコンベを管理する神言会とは、11月14日、ローマの教皇庁立ウルバノ大学で、「カタコンベの誓い」50周年を祝った。

 

カタコンベで誓約文書に署名した司教たちは、ほかの第2バチカン公会議出席者にも呼びかけて、短期間に500人の署名を集め、福者パウロ6世に託した。ベタッツィ司教によれば、賛同者は個別、単独に参加した人たちであり、組織的な動きが始まったわけではなかった。

 

署名した司教たちは、「住む家、食物、交通手段」に関して「教区の人たちの、普通の生き方に倣って生きる」ことを約束している。また誓約書にはこうも記されている。「われわれは富や外見への執着を永久に放棄する。」とりわけ、衣服や役職を示す印の放棄を述べている。

 

ベタッツィ司教は「住む家」に関しては「教皇フランシスコには及ばなかった。」と語った。

なぜなら、彼の教区であるイヴレアの司教総代理に、司教館に住まなければいけないと言われたので、そうしたからだという。司教はまた、公会議の最後にパウロ教皇から司教たちに贈られた金の指輪を保管していると語った。しかし、それが「目立つ」ため、身につけてはいないとも述べた。

 

誓約文書に署名した司教たちは、個人の銀行口座を持たず、教区のいわゆる俗事は、資格・能力のある信徒に任せることを誓い合った。それによって自分も司祭たちも司牧に専念できるからである。彼らは、正義の名のもとに慈善事業の拡大を誓った。

 

「(しかし)連帯は得られなかった」し、フォローアップも無かったとベタッツィ司教は言う。「時の経過と共に少しずつ忘れられてしまった。」

司教は、1968年にヨーロッパ社会を覆った激動の中で、(教会内には)その影響を恐れ、内に閉じこもろうとする反応があったと言う。そしてそれが誓約文書の拡がりを阻む原因のひとつになったと言う。

 

「1968年は皆を恐れさせ、すべてを閉じ込めてしまった。」と彼は言う。「まるで、行水の水を流そうとして、中の赤ん坊まで流してしまったようなものだ。」

 

誓約文書から50年周年を記念する取り組みによって、新しい研究や関心が生まれた、と彼は言う。「そして神は、わたしたちにフランシスコのような教皇を与える恵みを下さった。教皇フランシスコは誓約文書にサインこそしていないが、既に、文書に記された生き方を実行してきた。以前から素朴な教会、貧しい教会、貧しい人と共にいる教会を経験してきた。」

 

「教皇フランシスコが、そのような生き方に倣うよう全教会を導いてきた御蔭で、誓約文書の記念行事は人々に受け入れられることになった。」

 

最初に文書にサインした42人の中で、ただ一人の北アメリカの司教は、カナダのサン・ジャン・ド・ケベックのジェラール・マリー・クデール司教であった。彼は1993年に死去した。

 

ブラジル・シングウのアーウィン・クラウトラー司教は、ローマで誓約文書のサインが行われた時、まだ司祭叙階から4カ月目だったが、ブラジルのアマゾン川流域で司教を務めた35年間、文書で誓われた生き方を貫くよう努めてきたと語る。

 

この76歳になるオーストリア生まれの司教は、1980年にシングウに派遣された際、教区の信徒に「司教に何を望み、何を求めるのか?」と尋ねた。信徒たちは、「机上で教区の運営をせずに、われわれが暮らす場所に来てほしい。」そして生活を共にしてほしいと答えた。

誓約文書に従うことは、彼らの望みに応える鍵であった、と彼は語る。

 

メルセス宣教修道女会のシスター・Filo 弘田は、修道会の総長たちを代表して次のように語った。「誓約文書は、キリストの弟子としての司教たちに課された付託を、とても具体的に述べている。それは、彼らの日々の生活、ライフスタイル、教会のあり方、そして神の民と共に歩む生き方に強い影響を及ぼすものだ。」

 

「誓約文書はわたしたち修道者にも向けられている。」と彼女は言う。なぜなら修道者は、貧しく、従順で、汚れのないキリストに倣うことを荘厳に誓った者たちであるから。

 

 

(以上)

 

Back to the catacombs: New emphasis placed on bishops' simplicity pact

By Cindy Wooden  Catholic News Service

11.13.2015 9:05 AM ET

 

VATICAN CITY (CNS) -- At nearly 92 years of age, Italian Bishop Luigi Bettazzi says his long life is due to constant changes.

 

To live is to change, said the retired bishop of Ivrea, and that goes for the church as well as for individuals.

 

"Too often we think upholding tradition is standing firmly on what we have done in the past, when tradition really is to keep moving," the bishop told reporters Nov. 12 at a Vatican news conference.

 

The Second Vatican Council, he said, challenged bishops to change with the aim of living a modern evangelical lifestyle.

 

Bishop Bettazzi is the last surviving bishop of the 42 members of the Second Vatican Council who celebrated a Mass Nov. 16, 1965, in the Catacombs of Domitilla and signed a pact promising to live simply and close to the poor.

 

The international unions of superior generals of men's and women's religious orders and the Society of the Divine Word, which staffs the catacombs, were to celebrate the 50th anniversary of the "The Pact of the Catacombs" Nov. 14 at Rome's Pontifical Urbanian University.

 

The bishops who signed the pact in the catacombs shared it with other members of the Second Vatican Council and soon collected 500 signatures, which they entrusted to Blessed Paul VI. Bishop Bettazzi said the commitments were personal and individual, not the start of some organized movement.

 

In "housing, food and means of transportation," the signatories promised to try "to live in accordance with the ordinary manner of our people." The pact also said, "We renounce forever wealth and the appearance thereof," especially in clothing and insignia.

 

Bishop Bettazzi said that he "was not as strong as Pope Francis" when it came to housing; when told by the vicar general of Ivrea that he had to live in the bishops' residence, he did. The bishop also said he has kept the gold ring Pope Paul gave bishops at the end of the council, but he does not wear it because it is "ostentatious."

 

Signing the pact, the bishops vowed not to have personal bank accounts and to find qualified laypeople to handle their dioceses' temporal affairs so they and their priests could devote themselves to ministry. They pledged to enhance charitable activities with advocacy for justice.

 

"There was no coordination" or follow-up, Bishop Bettazzi said, "and slowly over time, it was a bit forgotten."

The bishop blames part of the pact's low profile on what he describes as a reaction of fear and closure following the 1968 social upheaval in Europe.

 

"1968 frightened everyone and everything closed down," he said. "You could say they threw the baby out with the bathwater."

 

The approach of the 50th anniversary of the pact led to new research and interest, he said, "and God with his grace gave us a pope like Francis, who without having signed the pact, already led this kind of life and had experience of a simple church, a poor church, a church very close to the poor."

 

"The remembrance of the pact has been revived thanks to the atmosphere Pope Francis has indicated for the whole church to follow," the bishop said.

 

The only North American among the pact's original 42 signers was Canadian Bishop Gerard-Marie Coderre of Saint-Jean-de-Quebec; he died in 1993.

 

Bishop Erwin Krautler, prelate of Xingu, Brazil, had been a priest only four months when the pact was signed in Rome, but he said he has strived to live its commitments over the course of the 35 years he has been a bishop in Brazil's Amazon basin.

 

The 76-year-old Austrian-born bishop said that when he was appointed to Xingu in 1980, he met with the people of the diocese to ask what they wanted and needed from a bishop. They asked him not to "run the diocese from your desk, but to come to where we live" and to share their lives, he said. Following the pact was key to responding to that request, he said.

 

Mercedarian Missionary Sister Filo Hirota, speaking on behalf of the religious superiors, said the pact describes a commitment to discipleship that impacts the bishops' "daily life, their lifestyle, the way of being church and (being) with the people of God in a very concrete way."

 

"The pact challenges us religious," who have made solemn vows to follow Christ who is poor, obedient and chaste, she said.

 

 

http://www.catholicnews.com/services/englishnews/2015/back-to-the-catacombs-new-emphasis-placed-on-bishops-simplicity-pact.cfm