「学び合いの会-海外ニュース」 298号―1臨時

 

「家庭シノドス」が終わって1カ月余り経ちましたが、バチカンのシノドス事務局は、早くも来年秋の「家庭シノドス」に向けての準備文書を、近々全世界の司教協議会に送付する予定です。シノドス事務局は、二つのシノドスに挟まれたこの期間が、議論を深めるための大切な時間であるとしています。また、教皇フランシスコは今週、バチカンの官僚組織の改革について各省庁のトップと話し合いました。

 

バチカン、各地の司教宛に2015年シノドスの準備文書送付へ

ジョシュア・マッケルウィー 2014.11.20 NCR(National Catholic Reporter)

 

 

ローマ:カトリックの臨時世界代表司教会議は、大きな注目を集めて1か月前に閉幕したばかりだが、バチカンは早くも、来年開かれる次の通常シノドスに向けた動きを発表した。

 

バチカンは11月20日、2015年に予定されている通常シノドス(世界代表司教会議)に向けた準備文書を、ここ数週間以内に全世界の司教協議会に送付する予定であると発表した

 

教皇フランシスコは、家庭生活に焦点を当てた2回にわたるシノドスを、2014年と2015年に招集している。バチカンで今年10月5日から19日にかけて開催された2014年の会議は、

閉ざされた扉の奥で行われる高位聖職者たちの対話や議論が、斬新な方法で行われたという印象から、世界中のメディアの注目を集めた。

 

この日の発表は、その前々日と前日に行われたシノドス事務局を統括する高位聖職者の会議を受けて行われたものである。

 

発表によれば、バチカン事務局は「12月初めに」、2015年のシノドスの準備文書を全世界の司教協議会宛に送付する予定である。事務局はこの準備文書に基づき、2015年夏までに次回シノドスの当初に使用する作業文書を作成したいとしている。

 

2013年10月に配布された2014年の臨時シノドスのための準備文書には、目次(headlines)が用意されていた。シノドス事務局によれば、これは、「出来得る限り広い」対象に配布するために、幅広い分野の質問項目が盛り込まれていたからであった。しかし、20日の発表では、2015年のシノドス準備文書に同じような質問項目が含まれるかどうかについては言及されなかった。

 

とはいえ、新しい準備文書の内容は、2014年臨時シノドスの最終報告書、および「その受容と深まりに資する一連の問題点」で構成されているという。

 

20日のバチカンの発表は、2015年10月に聖職者と信徒の専門家が1ヶ月に亘って行う通常シノドスの運営準備に当たる事務局にとって、今から予想される激しい動きの嵐の前触れとも言えよう。

 

2014年の臨時シノドスはおよそ190人の高位聖職者が討論に参加したが、2015年の場合、その3倍の数の参加が見込まれる。2015年には、各地の司教協議会のトップばかりでなく、協議会のメンバーの中から幾人かが選ばれて(互選?)参加する予定だ。

 

20日の発表は、前々日からのバチカン・シノドス事務局会議に、教皇が出席したことにも触れている。出席の理由については、「教皇は、司教の協働性を表すシノドスと、2回の会議の共通のテーマである家庭(家族)の重要性を強調するために出席された。」と説明している。

 

 

発表はまた、事務局会議の出席者は「二つのシノドスに挟まれた、この(準備)期間は、シノドスの歴史に前例のないことであり、非常に重要な期間であるという認識を共有した。」と述べている。

 

そして次のように述べる。「二つのシノドスに挟まれた期間では、既に出発点が定められている道筋を辿り、この特別な機会を生かして問題点を吟味し、議論のレベルを司教会議の水準にまで高めなければならない。それには、『家庭』について話し合うシノドスが、様々に異なる教会共同体の問題についても考えて行くために、必要な意味付けと方法論を見出す必要がある。」

 

バチカン・シノドス事務局会議には、このほか、シノドス事務局長のロレンツォ・バルディッセリ枢機卿をはじめ、何人かの事務局メンバーが出席した。その中には、オーストリアのクリストフ・ショーンボーン枢機卿、オーストラリアのジョージ・ペル枢機卿、フィリピンのルイス・タグレ枢機卿が含まれている。

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

Vatican sending bishops' conferences documents for 2015 synod 

Joshua J. McElwee Nov. 20, 2014 

 

 

Rome: Just over a month since the conclusion of October's keenly watched meeting of Catholic bishops on issues of family life, the Vatican has announced it's already gearing up for the next meeting in 2015.

 

Within weeks, the Vatican said in a statement Thursday, bishops' conferences around the world will be receiving preparatory documents for the 2015 meeting, known as a Synod of Bishops.

 

Pope Francis has called two consecutive synods for 2014 and 2015 to focus on issues of family life. The 2014 meeting, held Oct. 5-19 at the Vatican, drew worldwide coverage for what appeared to be a new attitude of dialogue and debate among the church's prelates during the closed-door proceedings.

 

Thursday's statement was made following a Vatican meeting Tuesday and Wednesday of the council of prelates who lead the Vatican's office for the Synod of Bishops.

 

The statement said the Vatican office will send a preparatory document for the 2015 synod to the world's bishops conferences "at the beginning of December" in hopes that an initial working document for the next synod can be ready by summer 2015.

 

While the initial preparatory document for the 2014 synod, sent in October 2013, made headlines because it contained a wide-ranging questionnaire that the Vatican synod office said was to be distributed "as widely as possible," Thursday's statement does not indicate if the document for the 2015 synod will also have such a questionnaire.

 

The statement does, however, say that the new preparatory document will "be constituted" of the final document from the 2014 synod along with "a series of points that help in its reception and its deepening."

 

Thursday's announcement from the Vatican marks the beginning of what will likely be a flurry of intense activity for the synod office as it prepares to organize what it expected to be a monthlong meeting of prelates and lay experts in October 2015.

 

While the 2014 synod saw an estimated 190 prelates take part in the discussion, the 2015 edition is expected to see at least three times that number, as the 2015 synod is open not only to presidents of bishops' conferences but also several members of each conference, who are being elected to attend by their peers.

 

Thursday's statement noted the pope was present at the Vatican synod office meetings, saying he had attended those meetings to "underline the importance that he attributes to the synod, as an expression of episcopal collegiality, and to the family, theme of the two assemblies."

 

The statement also said those at the Vatican meeting "agreed that the period now opening between the two Assemblies, which is unprecedented in the history of the synodal institution, is very important."

 

The year between the synods, the statement said, "should take the path already done as a starting point and take this special opportunity to study issues and promote discussion at the level of Episcopal Conferences, finding the means and the tools necessary to further involve also the different ecclesial bodies in the synodal reflection on the family."

 

Among others attending the Vatican synod meetings were Cardinal Lorenzo Baldisseri, secretary general of the synod office, and several members of the synod council, including Austrian Cardinal Christoph Schönborn, Australian Cardinal George Pell, U.S. Cardinal Donald Wuerl, and Philippines Cardinal Luis Tagle.